父からの海外送金

アメリカ人と結婚しNYに住んでおります。日本に住民票はなく、すでに7年経ちます。今年NYで住宅を購入しましたが、山形の父から住宅購入の足しにと送金がありました。

2010年:500万円
2011年現在まで:900万円
将来:600万円

質問1:すでにもらっている送金に対して父や私に何か税金関係で申告の義務はありますか?

質問2:残り600万円の送金を予定していますが、非課税枠の対象になる場合には、時期や限度額などアドバイスいただけますか?

質問3:残りの金額をアメリカ人の夫宛に送金をしてもらった場合は、私の父やアメリカ人の夫の日本の税務上の義務は何かありますでしょうか。

質問1について
あなたは日本に「住民票」がなくても「日本国籍」はお持ちでしょうし、お父様は日本にお住まいですから、あなたは「非居住無制限納税者」というものに該当し、贈与税の納税義務があります。

質問2について
まず考えられるのが「住宅取得等資金の非課税制度」ですが、これは日本国内での住宅取得が前提なので、適用は受けられません。

次に「相続時精算課税制度」です。この制度では適用選択後、相続開始時までのお父様からの累計贈与額が2,500万円までは贈与税がかかりません。2,500万円を超えた分は一律20%の贈与税がかかります。
要件は「贈与者が65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子」です。適用を受ける場合には贈与税の申告期間内に「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要です。
だたし、この制度はその名のとおり、相続発生時にこの制度を利用した贈与財産を相続税の計算に持ち戻して精算する=相続財産に加算するものです。この制度を利用して支払った贈与税は「相続税の前払い」として、相続税の支払いから差し引けます。

質問3について
日本国籍をもたない非居住者が日本の贈与税を課税されるのは「日本国内の財産」の贈与を受けた場合のみで、今回のケースは「国外財産」の贈与にあたるので、日本の贈与税は課税されません。ただしアメリカのGift Taxがかかるかもしれません。

及川小四郎税理士事務所

2011/8/19 金曜日