借金の肩代わりに伴う譲渡税と贈与税

多額の借金を背負う伯父(60歳過ぎ)がいます。
借金返済のため伯父の住まいする土地家屋を購入する検討をしております。
借金の額は銀行から1100万くらい(伯父の土地家屋が担保になっています)
私の家からも700万ほど貸しております。(借用書あり。現在返済滞っております)

伯父の住まいする土地家屋の値段は正確には分かりませんが、土地だけで3000万前後だと思います。
家屋は木造2階建て多少大きめで築20年は過ぎていますが、普通に住める状態です。
土地は祖父(伯父の父)から相続したものなので、伯父自身も他人に売るよりは
格安であっても親族に買ってほしいと言う希望があります。

3000万程度で土地家屋を買い取ることができればいいのですが、それほどの
財力が我々にもないので、借金を完済できる範囲の金額で購入、あるいは借金の肩代わりする
代わりに土地の名義を伯父から私に変更できないかと考えております。

質問1
購入する場合1100万程度で購入した場合、1100万に対して伯父は20%の税金を
支払う必要が出てくる(?)と思います。そうすると200万程度マイナスとなり借金は完済できない
ことになるような気がしますが、借金完済のためには伯父が税金(諸経費含む)を支払った残りが
1100万円になるような金額1400万程度(?)で購入する必要があるのでしょうか?
もしくは、借金を肩代わりする場合は、伯父は税金を支払う必要があるのでしょうか?
普通に購入する場合と借金の肩代わりの場合とで伯父が支払う税金に差はでるでしょうか?

質問2
上記のいずれかの方法を用いたとして、この時家から貸している700万円の借金も帳消しにする
ことになると思うので、1100万と700万円で1800万程度で土地を購入した形になると思うのですが
ただ、実際の土地の価格よりは格安になります。親族間では格安で売買することはよくあることだと
思いますが(6掛けくらいが限度??)、やはり一般的な金額との差額分は贈与とされるのでしょうか?

質問3
土地の名義変更を行った後、伯父にそのまま家に住んでもらってもよいという条件を付けた場合
に上記の質問に対して頂く回答に違いは出てくるでしょうか?

質問4
名義は甥である私に変更する予定で、私自身が1100万円を肩代わり(あるいは支払う)
するのですが、家から貸しているお金は私の父名義です。そうすると700万円分は私が父から
贈与を受けたと言うことになるのでしょうか?贈与となった場合、税金を支払う方法があるのでしょうか?
それとも伯父の父に対する700万円の借金も私が肩代わりし、私が父に借金を支払う形をとれるのでしょうか?

〔補足〕
伯父はこれ以外にも借金500~700万円あり、上記の借金が無くなってもぎりぎり返済できるか
どうかの状態ですので、仮に土地譲渡所得に対して税金が数百万かかるとすると、
支払いは困難な状態になります。

川崎市の税理士の五味英樹と申します。
私見ですが、ご回答差し上げます。

質問1
 100万円だろうが1400万円だろうが低額譲渡と
 なります。
 時価との差額分はあなたが贈与を受けたものとして
 贈与税がかかるでしょう。
 親族間の取引ですので注意が必要です。
 他人同士なら低額譲渡の問題はないと思われます。
 他人に売却してかつ売却代金が全て返済に回れば
 所得税法第9条第1項第10号の規定により助かる
 可能性がありますね。
質問2
 贈与と認定されます。
 ご注意ください。
質問3
 特に、問題はありません。
質問4
 1100万円を肩代わりするだけでしたら、父と叔父
 の債権債務の関係はそのままなので課税関係はあり
 ません。

補足
 土地だけで3000万円の価値がある土地なら、他人
 に売却して借金を全て支払えばよいと思います。
 親族間の低額譲渡をしても贈与税は多額になります。
 時価で売買、こちらが払えない部分は叔父からの借
 入でいいのでは…
 
以上、回答とさせていただきます。
宜しくお願いします。

税理士 五味英樹事務所

2012/7/5 木曜日

1.質問1
叔父が時価以下で、あなたに売却した場合は低廉譲渡となり、あなたに差額が贈与されたとされ、贈与税がかかります。

2.質問2
贈与に該当します。

3.質問3
伯父がそのまま家に住むということと、土地家屋の名義変更は別の問題です。

4.質問4
「名義は甥である私に変更する予定で、私自身が1100万円を肩代わり(あるいは支払う)する」のであれば、時価3,000万円との差額は贈与になります。
「私の家からも700万ほど貸しております」も、贈与になります。

5.専門家に相談しましょう
このようなスキムは、あなたがお考えになったと思われますが、少し危険な考え方です。
経費はかかりますが、専門家に相談しましょう。贈与税を支払うことを考えれば微々たる金額です。

以上

山口経営会計事務所

2012/7/10 火曜日