書面添付について

税務調査が来なくなると知り合いから聞いたので、
書面添付を今の税理士に頼んだのですが断られました。

理由を尋ねてもしっくりする回答を得られずはぐらかされてしまいます。
どういった理由が考えられますか?

税理士が書面添付制度を実践することは、専門家である税理士が申告書作成に関して、どの程度の内容にまで関与し、また申告書をどのように作成したかを添付書面に具体的に記載することで意見を表明することです。
また、税務署に対しては、添付書面の記載内容について、税理士に対する意見聴取によって疑問点を解消させることを目的としています。
書面添付があっても税務調査が無くなるということではありません。
私自身が税務署にいたとき、税務調査の対象になっている納税者の書面添付の内容を見るだけで、「この税理士は、ここまで確認しているのだから問題はないだろう」と判断して実地調査を省略したことが数多くありました。税務調査の事前通知前に税理士に対して意見聴取をし、疑問点が解消した時点で、結果として実地調査を省略したこともあります。
また、実地調査に移行しても、事前に意見聴取が済んでいる為、税務調査がスムーズに効率良く進行し、納税者にとっても税務調査に対する負担などが軽減されます。
ご質問の理由ですが、
担当の税理士が
①書面添付について良く知らない。
②書面添付は知っているが、面倒なのでやらない。
ということが考えられますが、
このような税理士とは、顧問契約を解消し、きちんと書面添付ができる税理士と契約されることをお勧めします。

回答税理士

2021/6/30 水曜日

書面添付制度とは、税理士法(以下「法」という)第33条の2に規定する書面添付制度と法第35条に規定する意見聴取制度を総称したものです。
意見聴取制度とは、法第30条に規定する税務代理権限証書と法第33条の2に規定する書面を添付した申告書を提出している場合に、税務調査の通知前に、税務代理権限証書を提出している税理士に、添付書面に記載された事項に関する意見を述べる機会を与える制度です。
意見聴取を行った結果、調査の必要性がないと認められた場合に、税理士等に対し現時点では調査に移行しない旨を書面により通知され、結果的に税務調査に発展しないこととなります。
ただし、意見聴取を行っても、結果的に調査担当者が、税務調査の必要があると判断した場合には、当然ながら、税務調査が行われます。
書面添付制度は、その申告書についての品質を税理士が保証する、いわば保証書のようなものになりますから、いわゆる年一回の単発申告といったものでは、税理士としても品質を保証できません。
添付書面に虚偽の記述を記載すると、最悪の場合、税理士資格を剥奪される恐れがあり、税理士としても、相当の責任を負うため、自信をもって申告書を提出することができない場合には、書面添付をすることができません。
おそらく、ご質問者様も一見さんのような方だった、もしくは税理士と信頼関係を気づくことができていなかったんではないでしょうか?

回答税理士

2021/6/30 水曜日

書面添付制度とは簡単に説明すると
税理士が税務署に対して作成した申告書が正確なものであることを明らかにします。
具体的には、請求書及び領収書などの書類に基づいて計算した金額であることを勘定科目ごとに文章で説明します。
記載例としては、勘定科目 現金 現金有高表で現金実査が行われたことを確認した。等

書面添付制度を利用している税理士は全体の20%ほどしかいないため対応していない税理士は多いです。
また、書面添付制度を利用している税理士に依頼するとそれに対する報酬が別途発生することがあります。

回答税理士

2021/6/30 水曜日

税理士が断る理由としては、申告書の内容について踏み込んだチェックができていない、なので自信が持てない。ということが考えられます。税理士としては、十分なチェックもせずに書面添付すれば税務署からマークされて、「あの税理士は信用できないから調査すれば、必ず税務上の問題がみつかる。」とみられることを恐れているのでしょう。
それと、書面添付すれば税務調査に来ないという話は誤りです。
確かに、税理士が詳細にチェックしたことを記載して書面添付すれば申告書自体に信ぴょう性が増して税務署に信用されるということはあります。しかし、税務署は多方面から資料情報を集めていて、その情報が申告内容と違っていたら、書面添付の有無に関係なく調査が行われます。
また、書面添付するためには、申告書に書かれている項目について、税理士が相当つっこんだ多くの内容をチェック・検証して書面に記載しないと税務署から信用されません(例えば、「現金出納帳をチェックし、3万円以上の支出が年間〇回あり、それらについて請求書、領収証を確認し、事業と関連性が認められない支出〇件、総額〇円について経費から除外した」など)。このように収入面や支出面はもちろんのこと、現金・預金の出し入れ、固定資産の購入・売却、代表者との金銭の貸し借りなどについて細かく税理士がチェックし、その内容を記載して提出するのが書面添付です。記載内容が薄っぺらい内容のもの(例えば、「現金出納帳をチェックし、問題はなかった」というような記載)ですと、添付された書面の内容が信用されることはなく、かえって税務署に疑われて税務調査が行われやすくなり、マイナスとなります。

回答税理士

2021/6/30 水曜日