親子間の売買or相続時精算時課税制度について

初めて御相談させていただきます。

父60才の土地建物(土地129.52平米 路線価:115000円 評価額:土地1800万・建物136万)
地元の不動産屋に売買した場合坪単価40~50万 と言われています。

上記の土地建物(昭和46年建築)を娘(相談者本人)へ売買or名義変更したいと考えております。

父が突然病気で倒れ、今現在も病院でリハビリを受けており、今後もリハビリを続けるため
病院or施設に入所することになると思われます。
しかし、父には財産が無く娘の私達夫婦が支払いを行っています。
生活保護を申請したいところですが、不動産があるためそれを処分してからじゃないと駄目だと言われております。

父は体は不自由になってしまいましたが、元気ですので今後もメインの住処は病院or施設になると思いますが、
時々は自宅に帰りたいと言っており、娘である私たちに売買をすることも了承してくれています。
(私たちの持ち家のローン返済+父の入院費用の負担が大きいため、空き家となっている父の家に住み
 家賃と思って入院費を負担した方がいくらか楽だろうと…)

親子間で売買することで、父に現金が入り娘夫婦に名義も変われば、当面父の費用はそこから支払えますし、
手元のお金がなくなってきたら生活保護を申請することができると期待しています。

売買する場合は、相談者である私も持ち家であり、売買したら700~800万位は手元に残りますので
そのお金を頭金にして、不足分はローンを組みたいと考えております。
(主人30代 勤務年数8年 年収400万・私30代 パート 130万未満で就労)

『質問1』家も40年程たっており、修繕も必要です。将来の建て替え費用も考えないといけないため、
できるだけ安い価格で売買したいと思っていますが、贈与税とみなされないで行える売買価格は
いくらぐらいになるのでしょうか?

『質問2』また、多少の贈与税を支払っても特になる価格も知りたいと思っています。

『質問3』私たちが父の家に住み、相続時精算時課税制度を父が65才になるまで待ち、名義変更を行う方がよいのか?
その場合、父の入院費を私たちが支払い続け、65才を迎え名義変更し、その後数年間立て替えて支払いを続け
私たちがもう支払いの負担が大きくできないとなった場合、生活保護も通るのか?気になります。

相続時精算時課税制度を利用しタダでもらった代わりに、父の費用を払う義務は負わないといけないと
覚悟しておりますが、主人は今は会社勤めで決まった金額が入ってきますが、将来独立を予定しています。
なので、一生払い続けることができるか不安な点があります。

『質問4』このような状況の中でどうしていけばよいのか、よい方法がございましたらご教授いただきたいです。

良い道しるべをご教授いただけると、ありがたいです。
よろしくお願い致します。

はじめまして。
税理士の吉川と申します。

『質問1』
親族間の不動産売買は、時価での売買が求められます。
税務上の時価ですが、土地は路線価(相続税評価額)を
0.8で割り逆算した金額、建物は固定資産税評価額が
一般的と考えられております。

『質問2』
贈与税の支払は、第三者(国)への資金流出となります。
譲渡代金は親子間での資金の移動ですので、
できるだけ贈与税が掛からない形で取引される方が
良いと思います。

『質問3』
土地建物の評価額から類推しますと、相続時精算課税を
利用する場合、贈与税は発生しないものと思われます。
また、他の相続財産はないとのことですので、相続税に
関しましても、基礎控除額以下となり、税額は発生
しないものと思われます。

納税という観点で考えますと、相続時精算課税は
有効な手段の一つだと思います。

『質問4』
限られた情報の中でのご提案が難しいのですが、
もし、お父様のご自宅の周辺の賃貸需要が高いようで
あれば、賃貸に出して不動産収入を得て、病院・施設の
資金に充当するというのも一つの案かと思います。
複数の案のメリット・デメリットを勘案しつつ
最適な方策をご決定頂ければと思います。

よろしくお願いいたします。

吉川直樹税理士事務所

2012/8/3 金曜日