学生納付特例制度の追納でお得な方法はありますか?

今年の春、大学を卒業して社会人になりました。
学生の時に国民年金を学生特例で32カ月分払っていません。

追納しようと思いますが、今年中に全額払うべきか、何回かに分けて払うべきか、一番お得になる方法を教えてください。

今年4月から12月までの給料支給額は250万円で社会保険料は30万、所得税は6万5千円です。

税理士の清水と申します。
ご質問の件ですが、来年の年間給与の見込が概ね360万円を超えるようでしたら、今年と来年で分けて払うか、又は来年に一括で払う方が得になります。

理由は所得税の税率によります。
例として、給与の所得税の計算は以下の様に行います。

2,500,000-930,000(給与所得控除額)-380,000(基礎控除)
=1,190,000(課税所得)
この1,190,000に税率5%を掛けると59,500になり、天引きされた6万5千円の差額は年末調整で還付となります。

給与所得控除額とは、サラリーマンの方も仕事をするうえで経費がかかるはずなので、それを国が決めた一定比率で計算して収入から引くというものです。

基礎控除とは、全ての人の収入から一律で引かれるものです。

また、所得税は収入が多いほど税率が高くなります。
上記の課税所得115万の場合は5%です。
この一段うえの10%になるのが課税所得195万、給与収入でいうと約360万円です。
360万円を超える部分は税率10%になるので、見込給与がこの金額を超えれば超えるほど、支払った年金の税金上の効果が高いと言えます。

※概算で計算しています。実際には生命保険を払っている場合の保険料控除など、他の要素もあります。
また、実際の税率は所得税の他に復興特別所得税というものが課されるのでもう少し上がりますが、少額なのとより複雑な説明になってしまうため省略しています。

回答税理士

2015/10/27 火曜日