相続土地の譲渡税

 今年6月、103歳で亡くなった母が50年以上所有していた土地と僅かな貯金を全相続人である兄弟4人で等分に相続し、土地は共有名義で相続登記をしました。

 その後、相続人全員高齢のため土地も現金化して分割しようということになり、今年中に売却することになりました。

 売却価格は2000万円ですが、この場合の譲渡税についてお教え下さい。

(1) 相続税課税枠以下である遺産の一部である土地の譲渡であっても税(譲渡税)は課税されるのでしょうか。

(2) 課税される場合、税額はどの程度になるでしょうか。

(3) この場合の税申告、納税の仕方(各相続人が別々に申告・納税するのか等)についてもお教え下さい。

 以上、よろしくお願いします。

(1)について
 相続税に関係なく、土地を譲渡した場合に譲渡所得の計算が必要です。
 4人で等分に相続されていますので1/4ずつで4人がそれぞれ譲渡所得の計算を行い、確定申告をすることになります。

(譲渡所得の計算)
 〔売却金額-(お母様が土地を購入された金額+譲渡費用)〕×1/4=譲渡所得

土地の購入金額につきましては、売却金額の5%で計算することもできます。
お母様が土地を購入されたのは50年以上前とのことですので、土地の購入金額が100万円以下であれば、売却金額の5%で計算されたほうが有利です。

(2)について
(1)で計算した譲渡所得の15%が所得税、5%が住民税になります。
仮に売却金額2,000万円、土地購入金額100万円、譲渡費用100万円とすると、4人にそれぞれ次の税金がかかります。

譲渡所得 〔2,000万円-(100万円+100万円)〕×1/4=450万円
所得税 450万円×15%=67.5万円
住民税 450万円×5%=22.5万円

ただし、この土地の上にご自宅があり、売却される前にお住まいになられていた方が譲渡された場合には、その方は3,000万円の特別控除の特例が使えますので、特例を適用するとその方は譲渡所得が0になります。
また、譲渡所得以外に所得のない方でしたら、社会保険料控除や医療費控除などの所得控除を上記譲渡所得から控除できますのでもう少し税額は少なくなります。

(3)について
(1)に記載の通り、4人がそれぞれ譲渡所得の確定申告を行います。
売却された翌年の3/15までに、給与や年金等の所得と一緒に税務署に申告し、申告期限までに所得税を納税してください。
住民税は6月頃に通知が届きますので、通知が届きましたら納税してください。
申告には譲渡所得の計算明細書等が必要ですので、詳細は税務署又は税理士にご相談下さい。

2011/2/4 金曜日