代償分割の際の生命保険一時金の利用に関して

母が亡くなり、相続を開始しています。

相続税の対象になる(生命保険)を含む額が
・生命保険1(契約者=母 支払口座=父名義 被保険者=母 受取人=父) 1500万円
・生命保険2(契約者=母 支払口座=母名義 被保険者=母 受取人=父) 400万円
・入院保険(入院保険150万円 がん告知給付金200万円) 350万円
・預金 (定期預金 3行) 650万円
・株券 80万円相当

があります。

【相談1】
父がすべてを相続する予定ですが、子供2人に代償分割を考えています。
定期預金などはすぐに解約できないので、代償金を生命保険一時金から賄おうと考えています。
その際、生命保険一時金の所得税の考え方を教えてください。
代償分割のお金を確定申告で申告できるのでしょうか?

生命保険1の保険料として、父は250万円すでにしはらっております。
仮に代償分割で500万ずつを2人の子どもに払うと想定です。

【相談2】
父は母と生計を共にしており、母の入院中の治療費は、父が負担していました。
入院保険を全額子供が相続した場合、父の確定申告の際に医療費控除の考え方はどうなるでしょうか?

父の医療費 30万円見込み
母の医療費 80万円

回答させていただきます。

【相談1】
生命保険1については、契約者は、お母様ですが、保険料の負担者はお父様になりますので所得税の対象となります。
具体的には一時所得になり以下の計算式から所得が算定されその他の所得と合算のうえ所得税(所得により税率が異なる)が計算されます。

{収入金額-収入を得る為に支出した金額-50万円(特別控除)}×1/2
(1,500万円-250万円-50万円)×1/2=600万円
ただし、生命保険1以外にも一時所得になるものがあればそれらも含めて計算されます。

次に代償分割ですが、こちらは所得税ではなく、相続税の対象となります。ただしお母様の相続財産が、相続税の基礎控除以下である場合には、相続税の申告も納付も不要となります。基礎控除は、以下の通りの計算となります。
5,000万円 1,000万円×法定相続人の数
相続人をお父様とお子様お二人であれば次の通りです。
5,000万円 1,000万円×3人=8,000万円

【相談2】
お母様の医療費を負担されたお父様は、ご自身の確定申告でお母様の医療費も含めて医療費控除を受けることができます。入院給付金等医療費を補填する目的で受け取られたものは、また医療費控除の計算上、医療費の金額から差し引くこととなります。つまりお母様の入院費80万円から入院保険金150万円をひくとマイナスとなり、お母様の入院費については医療費控除を受ける金額はないかと思われます。
尚、医療費の支払者と入院保険金等の受領者が異なる場合であっても上記と同じ取り扱いとなります。

以上参考にしていただければと思います。

回答税理士

2013/8/23 金曜日