遺産相続が無税の金額以下なのに、申告は必要ですか。

姉、私(長男)、弟の3人が、すでに離婚している母親の死亡のため、遺産相続をすることになりました。

そして、長男の私が2人から相続放棄の協議書をもらい、土地と家を遺産相続することになり、昨年の4月に私名義の変更の登記をしました。

使う予定がないので、土地と建物を不動産を通じて、520万円で売ってしまいました。
遺産相続が5000万円まで、無税だと聞いていましたが、今年の5月に入って、税務署の方から、不動産譲渡収入も含めて、再申告をせよと文書がきてビックリしています。
すでに私用でお金を使い、後50万円ほどしか残っていません。

5月20日までその再申告を指定の書類を出さなければなりません。

どうしたらよいか教えて下さい。

岩国市の税理士森川寛子と申します。

貴方は相続税と所得税とを混同されています。これらは別の税金の申告となります。

貴方の場合、相続税は遺産総額が8000万円以下なら、相続税はかかりません。
しかしその遺産として相続した不動産を売却した場合、その収入金額に対して譲渡所得税の申告と納税が必要になります。

520万円の譲渡収入に対して、お母様がその土地と家を買われた時の価格から、家の減価償却費として所定の計算をした金額を減額したものが取得費となります。それを控除した金額から不動産屋に対して支払った金額等を差し引いたものが、土地建物の譲渡所得となります。
それに対して最低でも15%の国税と5%の地方税がかかってきます。(お母様が買われてから5年以下の所有期間の場合は国税30%地方税9%の税率となります)

お母様の買われた金額を証明する書類がない場合は、520万円の5%に当たる26万円のみが取得費となります。すなわち、494万円から不動産屋に支払った仲介料等を差し引いた金額に対して、同様の国税と地方税がかかってきます。

お母様の取得時の書類と売却時の売買契約書等、貴方の平成24年分の申告書(会社員の方なら年末調整済の源泉徴収票)を持って、一刻も早く所轄の税務署にて修正申告をなさり、納税して下さい。過少申告加算税と延滞税(納税が遅れた期間にたいする利子)が追加でかかる事を申し添えます。

回答税理士

2013/5/11 土曜日