相続申告後の遺産分割のやり直し

父が亡くなり兄弟3人で遺産を分割し、私と弟で土地・家屋を相続する事になりました。(名義は父のままでまだ登記はおこなっておりません)。
ところが、相続税を支払った後、妹が自分も3分の1の名義がほしいと言い出しました。

今から妹に3分の1の名義を渡すとしたら、税務署は相続税の
修正申告として認めてくれるのでしょうか?
それとも贈与とみなされるのでしょうか?

「共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部または一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる。」との、最高裁判決があります。

また、相続税の通達に「当初の分割により共同相続人に分属した財産を分割のやり直しとして再分割した場合には、その再分割により取得した財産は遺産分割により取得したものとはならない」となっています。
つまり、遺産分割のやり直しは、税務上では遺産分割ではなく、譲渡や交換や贈与として課税されるということになります。要するに、遺産分割協議の合意解除は、民法上は有効であるが税法上は無効ということです

しかし、この遺産分割が妹さんが知らないうちに遺産分割協議が整い、かつ、この遺産分割協議書に署名押印などしていない等法的に明らかに無効であるときは、遺産分割をやり直したところに基づき相続税の修正申告又は更正の請求をすることとなります。

つまり、遺産分割が無効でない限り、その後の遺産分割のやり直しによる財産の移転については譲渡や交換や贈与と取り扱われます。

2006/11/6 月曜日