住宅売買に関して発生する税金

現在川崎市に賃貸に住んでいます。大阪に支払い完了の持ち家(住居兼診療所)があります。診療所を賃貸して5年目です。先生が別な物件に移られます。この機会に売却して現在の近隣に一戸建ての購入を考えています。
【質問1】長期10年以上保有する物件です。更地にして売却するのが得か、古家(築30年)をつけて売却するのが税制面で得かよくわかりません。更地にすると非居住用で税率15~20%でしょうか?
【質問2】上記のように5年間他人に貸し付けて、現在は関東です。店舗併用物件でも居住用として売却可能なのでしょうか?古家をつけて売却したほうが質問1・質問3の恩恵もあり有利ですか?更地して売却すると土地(非住居)の売却として高額の税金が課税されるのでしょうか?(15~20%)
【質問3】上記の状況の中、現在の大阪の住居(店舗兼用)を売却した場合は全額繰り延べされ税金=zeroでしょうか?実際は、売却と同時にどれくらいの時間差で新居を購入し なけれならないとかありますか?売却後に家の購入が決定している必要(契約書等の形で)があるのでしょうか?新居がマンションでも購入額が売却額を超えていれば課税はzeroとなるのでしょうか?
 以上御教授の程、よろしくお願い申し上げます。

はじめまして。品川区不動前で開業しております税理士の八木俊助です。よろしくお願いいたします。

ご質問は、ご自身所有の土地及び建物=店舗併用住宅(用途は店舗部分は医者に貸付ている)を売却した場合の売却益に対する所得税の課税についてのことと思います。

●所得税の居住用財産の特例について
所得税では現に住んでいる不動産や住まなくなってから短期間である不動産について、いくつか特例が設けらております。5年前から住所は川崎に移られているようでしたら、この居住用財産の特例は受けられないと思います。

●特定事業用資産の買換えの特例
もうひとつ検討すべき特例は、事業用に供していた不動産を売却した場合に、一定の買換資産を取得した場合、その譲渡益の一部を繰り延べる規定です。

貸付は、立派な事業にあたるので貸付部分に対応する建物と土地については規定が適用できる可能性があります。条件のひとつである10年以上の保有要件は満たしておりますが、買換資産について今年改正が入っており土地については、300平米以上であること、特定の建物の敷地になることなど、少し複雑化していますので、お近くの税理士さん又は税務署へ確認することをお勧めします。

仮にこの規定が適用できるとすると、全額繰り延べではなく最大80%までの繰り延べになります。

また、建物の取り壊しについてですが、売却のために取り壊しを行えばその部分は譲渡費用になり税金の計算上控除できます。したがって、基本的には売却先が決まる前に建物を取り壊すのは税務上有利には働かないと思います。

八木俊助税理士事務所

2012/5/15 火曜日