個人事業主が従業員を雇った場合の給料の扱い方

よろしくお願いします!
主人が個人事業をしていて、半年前から従業員一人を雇うようになりました。

その際、従業員の給料は経費で落とせますか?
また、私(妻)を従業員として雇う形にして、その給料も経費として落とせますか?

それぞれ何か手続きしなければなりませんか?

1.給与の支払

人を雇って給与の支払を行うことは、その給与支払いについて所得税の源泉徴収を行い、それを国に納付すること、それとその人の年末調整を行うことなど、サラリーマンについて会社が行っている手続と同じことをする必要があります。
したがって、その一つ一つをここで説明するには無理がありますので、下記国税局のホームページを参考にして下さい。

国税局(給与と源泉徴収について)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/gensen31.htm

2.専従者給与について
 貴方が青色申告か白色申告か分かりませんので、次の専従者給与の概要について記載いたします。

1 専従者給与と専従者控除の概要
 生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがあります。これらの給与は原則として必要経費にはなりませんが、次のような特別の取扱いが認められています。
(1) 青色申告者の場合
 一定の要件の下に実際に支払った給与の額を必要経費とする青色事業専従者給与の特例
(2) 白色申告者の場合
 事業に専ら従事する家族従業員の数、配偶者かその他の親族かの別、所得金額に応じて計算される金額を必要経費とみなす事業専従者控除の特例
(注) 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人又は白色申告者の事業専従者である人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。

2 青色申告者の専従者給与
 青色事業専従者給与として認められる要件は、次のとおりです。
(1) 青色事業専従者に支払われた給与であること。
 青色事業専従者とは、次の要件のいずれにも該当する人をいいます。
イ 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
ハ その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
(2) 「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していること。
 提出期限は、青色事業専従者給与額を算入しようとする年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合や新たに専従者がいることとなった場合には、その開始した日や専従者がいることとなった日から2か月以内)までです。
 この届出書には、青色事業専従者の氏名、職務の内容、給与の金額、支給期などを記載することになっています。
(3) 届出書に記載されている方法により支払われ、しかもその記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
(4) 青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。
 なお、過大とされる部分は必要経費とはなりません。
 
3 白色申告者の事業専従者控除
 事業専従者控除額は、次のイ又はロの金額のどちらか低い金額です。
イ 事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ専従者一人につき50万円
ロ この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額
白色事業専従者控除を受けるための要件は、次のとおりです。
(1) 白色申告者の営む事業に事業専従者がいること。
 事業専従者とは、次の要件のすべてに該当する人をいいます。
イ 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
ハ その年を通じて6月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。
(2) 確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載すること。

では、参考までに

回答税理士

岡谷洋志税理士事務所

2014/11/3 月曜日