贈与税は二重にかかるのでしょうか?

痴呆症の祖父が財産管理ができなくなったため、預金の名義変更をおこなったのですが、贈与税のことや親類の反対もあり名義を本人にもどしたいのですが、そのさい贈与税は2重にかかることになるのでしょうか?
額の方はだいたい500万ほどなのですが。

祖父の意思表示がなく、勝手に預金の名義変更を行ったのであれば贈与は成立していないと考えられます。
上記のような状態であれば、名義変更を行った預金について、速やかに名義を本人に戻されるのであれば、二重に贈与税がかかることはありません。

宇佐美税理士・社会保険労務士事務所

2011/2/3 木曜日

今の状況が詳しく分からないため、絶対とは言い切れませんが、次に掲げる条件のすべてを満たしているのなら贈与の事実がなかったとになるので、贈与の登記等を取り消すことができるでしょう。

(1) 贈与契約の取消し又は解除が当該贈与のあった日の属する年分の贈与税の申告書の提出期限までに行われたものであり、かつ、その取消し又は解除されたことが当該贈与に係る財産の名義を変更したこと等により確認できること。

(2) 贈与契約に係る財産が、受贈者によって処分され、若しくは担保物件その他の財産権の目的とされ、又は受贈者の租税その他の債務に関して差押えその他の処分の目的とされていないこと。

(3) 当該贈与契約に係る財産について贈与者又は受贈者が譲渡所得又は非課税貯蓄等に関する所得税その他の租税の申告又は届出をしていないこと。

(4) 当該贈与契約に係る財産の受贈者が当該財産の果実を収受していないこと、又は収受している場合には、その果実を贈与者に引き渡していること。

これらの条件は条文を引用しているため、理解しにくい部分もあると思いますが、簡潔に言うと財産に手をつけていなければ取り消すことができるということです。

ただし、これらの条件を満たしていなければ、このケースだと最悪の場合、2度贈与税が生じる可能性もあります。
その場合、無理に祖父名義に戻す必要はないと思いますが、どうしても財産を祖父の名義に戻したいのなら、年間に110万円までの贈与なら税金が課されないので、その範囲で毎年贈与してみてはどうでしょうか。

2011/2/3 木曜日