マンション賃貸に関わる確定申告・還付申告の可否について

質問させていただきます。

●今年3月に、4年間生活した自己保有マンションから新たに購入した別のマンションに引越ししました。

●マンションについては当面賃貸目的で所有を継続しようとし、賃貸募集を行いましたが、結果としては未契約の状況です(年内に成約し1ヶ月分の賃料収入を得る可能性はあり)。

●旧マンションに関わるコストとしては概ね以下が考えられます。

 ・管理費・修繕費:月2万円
 ・固定資産税:年10万円
 ・減価償却費(想定):年100万円
 ・転居に関わる費用:20万円

●仮に今年1年のマンション賃貸に関わる収支を試算すると概ね以下のようになると思います。

 収入:15万円(家賃1ヶ月分)
 支出:148万円(管理費等は4月以降の9ヶ月分を織り込み)
 差引収支:▲133万円

●私個人は給与所得者で年間1000万円程度の給与収入があります。

●旧マンションは賃貸する一方、状況によっては売却することも検討しています。

【質問1】
上記のようなケースにおいて、マンション賃貸に関して、確定申告はできるのでしょうか?

【質問2】
確定申告が出来る場合、今年1年は赤字ということになりますが、還付申告というものを行うことができるのでしょうか?

【質問3】
還付申告が出来るとしたら、形としては、給与所得と「損益通算」されることになるのでしょうか?(源泉徴収分の一部の返還が受けられるのでしょうか?)

【質問4】
今年の赤字(損失)は来年に繰越できるのでしょうか?(来年マンション賃貸で黒字となった場合、通算できるのしょうか?)

【質問5】
マンション賃貸収入に関しても、青色申告は出来るのでしょうか? 青色申告の方がメリットがあるのでしょうか?

【質問6】
来年、旧マンションを売却した場合に、今年の賃貸に関わる確定申告に何らかの影響が及ぶことはありますか?

【質問7】
来年、旧マンションを売却した場合に、取得価格に比し売却価格が低かった場合、この「売却損失」に関して、何らかの税務上の控除を得る手段はありますか?

以上、全くの素人で、質問もまとまり無く恐縮ですが、教えて頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

はじめまして。東京都新宿区の税理士吉村と申します。
ご質問について回答致します。

【質問1】
確定申告可能です。
賃貸募集をしていることから仮に入居者がなく、収入がゼロであったとしても事業開始していることになります。

【質問2,3】
給与所得との損益通算をして、還付を受けることになります。

【質問4,5】
損失の繰り越しは、「青色申告」が要件です。こちらは不動産業開始から2ヶ月以内に青色申告承認申請を提出しなければ、適用できません。
なお、給与所得を考えますと全額損益通算されると存じますので、実害はないと考えます。
来年以降青色申告を適用するのであれば、来年3月15日までに承認申請を提出してください。
青色申告の特典は、損失繰り越しと特別控除の2点です。

【質問6】
特に問題ございません。

【質問7】
居住用マンションを売却した際に損失がでれば、一定の要件のもと他の所得と損益通算できます。損失繰り越しも可能です。
一方、賃貸用不動産を売却した場合には他の所得との損益通算は不可です。(平成16年改正)
なお、他の不動産を売却して利益が出ている場合には、損益通算可能です。
ご質問者様の場合は、後者に該当すると存じますので、ご注意ください。

参考になりましたでしょうか。

吉村和浩税理士

2012/12/17 月曜日