小規模宅地等の評価減について

この制度を適用する場合、死亡した人が住んでいたことが前提のようですが、
主人の場合、単身赴任先でマンションを購入し、
住民票もそちらに移しています。

東京の自宅には配偶者(私)と子供(二人)が住んでいます。
名義はどちらも主人で、東京の自宅は一部私の名義です。

このような場合、東京の自宅は評価減の対象にはならないのでしょうか?
また、宅地の評価減は、遺産総額に反映されるのでしょうか?

例えば、動産2億、宅地1億の場合、遺産総額は3億になりますが、
宅地評価減を使うと、遺産総額が2億2千万円になるということなのでしょうか?

ご質問の内容に沿って、簡単ですがご回答申し上げます。

このご質問の場合、ご質問者の宅地が、
この特例の対象となる宅地等の要件のひとつである、
『被相続人等の居住用宅地等』に該当するかどうかが、
ポイントになると思います。

この場合の「被相続人等」には、
被相続人のほか『生計を一にする』親族が含まれます。

したがって、勤務の都合上、単身赴任をしていても、
余暇にはだいたいご主人が帰省している場合や、

常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合などは、
『生計を一にする』と認められます。

なので、ご質問の場合には、
ご主人様が所有する宅地については、
いずれも評価減を適用することができるでしょう。
(ただし限度面積要件がございますし、
 その宅地の取得者によって減額割合は変わります)

また、評価減が遺産総額に反映されるかとのご質問ですが、
『遺産の総額』という言葉をどのような意味で
お使いになるのかをご確認しなければいけませんですが、

一般的に、この特例による減額は遺産の総額に影響するものではなく、
あくまでも相続税の課税価額に算入する金額の特例であると、
考えるほうがよろしいと思います。

つまり、宅地自体の評価を低くするためのものではなく、
相続税の計算上、社会政策的配慮から設けられた制度になりますので、

遺産として考える場合、総額で考えるほうがいいでしょう。
(もちろん、この特例が適用できれば、
 相続税が少なくなるのは間違いありません。)

ただ、遺産分割の際には、当然、この評価減だけでなく、
様々な特例や非課税財産などを勘案して、
お話し合いが行われことになるでしょう。

また、最後になりましたが、
この特例により納付すべき相続税額がない場合でも、
申告をしないと特例の適用は受けられません。ご注意ください。

以上、予定より長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

2007/4/4 水曜日