遺産相続についての質問

先日祖父が亡くなりまして、母と叔父に遺産が相続されることになりました。しかし、祖父は不動産物件を多く抱えており、単純承認してしまうと、相続税を負担しきれません。本来なら相続放棄すればよいのですが、叔父の自宅と土地は祖父が所有していた為、放棄するわけにはいきません。

【質問1】叔父の自宅のみを相続して、それ以外を放棄するというような都合の良い方法はありますでしょうか?

【質問2】仮に限定承認した場合、相続税や贈与所得税は相続財産の限度に収める事が出来るのでしょうか?それとも、あくまで税金を省いた状態での資産で贈与額が決まってしまうのでしょうか?

以上2点、宜しくお願いします。

まず、限定承認をする場合は3カ月以内に財産目録を作成してこれを家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申込しなければなりません。
 
 叔父さんの自宅と土地以外を「物納」する方法もありますが、「物納申請書等」を相続税の納期限までに提出しなければなりません。

 ご質問の内容から考えると、お近くの税理士さんに相談することをお勧めいたします。

和田敦税理士事務所

2010/12/3 金曜日

限定承認すれば、叔父の自宅のみ相続することが出来ますが、得た財産を限度として債務及び遺贈の義務を負担することにもなります。また、限定承認をする場合、3ヶ月以内に財産目録を家庭裁判所に提出し、限定承認する旨を申述しなければならないと規定されています。

今回のようなケースにおいては、多々考えられる点がありますので、一度、財産と債務を一覧にした上で最寄の税理士にご相談することをお勧めします。

2010/12/3 金曜日

【質問1】叔父の自宅のみを相続して、それ以外を放棄するというような都合の良い方法はありますでしょうか?

多分、限定承認のお話のことだと思われますので、限定承認について、簡単にご説明いたします。

1.相続税限定承認について
限定承認とは、プラスの財産の範囲の中でマイナスの財産を引き継ぐという条件きで相続を承認する方法です。つまり遺産を清算した結果、もし借金だけしか残らないような場合には、不足分を支払う必要はなく、逆に借金を支払ってもなお余りが出た場合にはその余った財産を受け継ぐことができます。遺産がプラスになるかマイナスになるか分からないようなときに有効といえるでしょう。

2.主なデメリット
(1)限定承認は、相続放棄者を除く他の相続人全員がそろって行わなければならず、もし相続人の中で一人でも単純承認をした人がいる場合は、限定承認を選択することはできません。
(2)全員の同意が得られないと、もしかしてプラスの財産の方が多かったのに、すべてを放棄せざるを得ないという状況も考えられます。

【質問2】仮に限定承認した場合、相続税や贈与所得税は相続財産の限度に収める事が出来るのでしょうか?それとも、あくまで税金を省いた状態での資産で贈与額が決まってしまうのでしょうか?

限定承認をすると、相続(または遺贈)財産を時価で被相続人が相続人(または受遺者)に譲渡したものとみなされ、被相続人に譲渡所得が課税されます(所得税法59条1項)。
この場合の譲渡所得は準確定所得により、納付は遺族などが故人に代わって行うことになります。この時所得税は相続税の申告の時に債務控除の対象となります。

本件は、相続人間問題や相続財産が微妙・複雑に絡んでいます。したがって、直接、税理士にご相談することをお薦めいたします。

山口経営会計事務所

2010/12/9 木曜日